子供の「逆さまつげ」には弱視のリスクが…手術すべきタイミングは?

公開日: 更新日:

 なかでも注意したいのが「弱視」だ。

「慢性的にまつげが角膜に当たり続けると、角膜の表面にゆがみが生じて乱視を引き起こします。子供の視力は身長と同じく成長するにつれて伸びますが、乱視は視力の発達を妨げるので、メガネをかけても視力が1.0に満たない『弱視』になるリスクが高い。視力の発達は8~10歳までとされるため、それまでに矯正メガネを用いて弱視を克服する必要があるのです」

 通常、逆さまつげ自体は顔の成長に伴い自然に改善し、10歳の時点での罹患率は2%まで低下する。健診で逆さまつげを指摘されても慌てて手術する必要はなく、症状がなければ経過観察で構わないという。

■手術時間は15~30分

 ただし、角膜が傷ついている場合には角膜保護剤である点眼薬が処方されるが、あくまでも対症療法だ。角膜上皮障害が改善されず、角膜に混濁が見られるケースに対しては手術が適応される。

「手術の方法は2通りあります。まつげの下に小さい穴を開けて皮膚側と白目側から糸を通し、たるんだまぶたを結膜側へ引き寄せる『通糸埋没法』と、まぶたの縁を切開し、まぶたの内側にある瞼板と呼ばれる組織に糸を通してまぶたの皮膚側を固定する『切開法』です。当院では、再発率の低さから切開法が選ばれるケースがほとんどです。4~5歳になると、赤ちゃんの柔らかいまつげからだんだん硬みを帯びたまつげへと変化するので、この時期が手術を考え始めるタイミングとも言えます」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 4

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑

  3. 8

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  4. 9

    米国が「サナエノミクス」にNO! 日銀に「利上げするな」と圧力かける高市政権に強力牽制

  5. 10

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性