著者のコラム一覧
永田宏前長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

(6)ジェネリック医薬品不足が解消する可能性はかなり低い

公開日: 更新日:

 ジェネリック医薬品の慢性的な不足が続いています。日本製薬団体連合会によれば、2024年11月時点で、全ジェネリック製品の25.2%が限定出荷(追加注文等に応じられないなど)や供給停止になっているとのこと。ちなみに2年前(2022年11月)の数字は25.3%でした。ですから2025年中も、不足が解消される可能性はかなり低いと言えそうです。

 ジェネリック不足の直接の原因は、2020年以降に次々と明らかになった、ジェネリックメーカーによる不正行為とされています。品質試験を適切に行わなかったり、承認された製造方法とは異なる手順で製造するといったことが、業界全体で常態化していることが判明し、出荷停止などの処分を受ける会社も相次ぎました。

 しかしそれだけでは、何年も不足が続くことはないでしょう。

 ジェネリックは薬価をギリギリまで下げられているため、利益率が低い市場になっていますし、作るほど赤字というものも少なくないと言われています。しかも小規模な会社が多く、優秀な人材が集まらず、設備投資はままならず、品質管理にも金と時間をかけられない、といった構造的な問題を抱えています。加えて薬の有効成分である「原薬」の多くを、インドや中国からの輸入に頼っており、時々、品質問題を起こして出荷が止まったりします。つまり上流工程からして、かなり不安定なのです。

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