生活苦で広がる患者の服薬の間引き、治療の中断…「モーニングサージ」に気をつけろ

公開日: 更新日:

 生活苦が止まらない。厚労省発表の物価変動の影響を除いた9月の実質賃金は18カ月連続で前年を下回った。年金額も物価の上昇に合わせて来年は2年連続の増額の見通しだが、その一方で、保険料を支払う現役世代の減少や高齢化による「スライド制度」が発動され、実質の年金額は減少する見通しだ。そんななか、医療現場では生活苦から患者が勝手に薬の間引きをしたり、治療の中断、放棄する例が急増しており、冬場の脳梗塞心筋梗塞など死に至る病気の急増が懸念されているという。しんクリニック(東京・蒲田)院長の辛浩基医師に話を聞いた。

 ◇  ◇  ◇

「先生、もっと安い薬に乗り換えたいのですがどうにかなりませんか?」

 最近、糖尿病で通院を始めたばかりの60代の男性患者からこんな相談を受けたという。この患者は自宅に冷蔵庫がなく、弁当や総菜、カップめんを買って食べる生活を続けている。塩分が多く、バランスを欠いた食事を続けているため、血圧や血糖が高く、腎機能も低下しタンパク尿も出ている。いまは薬でどうにかしのいでいるものの、数年先には透析の可能性があるという。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本中学生新聞が見た参院選 「参政党は『ネオナチ政党』。取材拒否されたけど注視していきます」

  2. 2

    松下洸平結婚で「母の異変」の報告続出!「大号泣」に「家事をする気力消失」まで

  3. 3

    松下洸平“電撃婚”にファンから「きっとお相手はプロ彼女」の怨嗟…西島秀俊の結婚時にも多用されたワード

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    俺が監督になったら茶髪とヒゲを「禁止」したい根拠…立浪和義のやり方には思うところもある

  1. 6

    (1)広報と報道の違いがわからない人たち…民主主義の大原則を脅かす「記者排除」3年前にも

  2. 7

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  3. 8

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  4. 9

    自民党「石破おろし」の裏で暗躍する重鎮たち…両院議員懇談会は大荒れ必至、党内には冷ややかな声も

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」