著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学元教授、医事評論家

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

日本の薬は大丈夫か?(4)今こそ薬を使わない医療への転換を

公開日: 更新日:

 先進諸国におけるジェネリック不足の原因は、どこも同じです。各国とも医療には金を使いたくないため、ジェネリックの薬価(アメリカなど上限価格)をできる限り低く抑えようとしています。患者・消費者も、安いジェネリックを求めています。ジェネリックメーカーとしては、生き残るために中国やインドの原薬メーカーに頼るしかありません。

 しかしそれらの国では、先進国ほど生産管理や品質管理が進んでいないため、生産量にムラがあり、しかも時々品質問題を起こします。すると下流に位置するジェネリックメーカーは製品の安定出荷が難しくなり、最悪は製造停止に陥ります。そうなると売り上げが立たなくなるので、経営も不安定になります。実際、アメリカでバルサルタンが問題になった際には、倒産したジェネリックメーカーも出たそうです。

 自由主義経済のもとでは、ライバル社が出荷停止になれば、増産してシェアを伸ばすチャンス到来となるはずです。ところがほとんどのジェネリックメーカーは、採算スレスレで経営しているため、設備投資や新たに人を雇う余裕がありません。利益率が低すぎて、シェアを拡大しても、儲けは出ないのです。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    白鵬のつくづくトホホな短慮ぶり 相撲協会は本気で「宮城野部屋再興」を考えていた 

  2. 2

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  3. 3

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  4. 4

    佳子さま“ギリシャフィーバー”束の間「婚約内定近し」の噂…スクープ合戦の火ブタが切られた

  5. 5

    狭まる維新包囲網…関西で「国保逃れ」追及の動き加速、年明けには永田町にも飛び火確実

  1. 6

    和久田麻由子アナNHK退職で桑子真帆アナ一強体制確立! 「フリー化」封印し局内で出世街道爆走へ

  2. 7

    松田聖子は「45周年」でも露出激減のナゾと現在地 26日にオールナイトニッポンGOLD出演で注目

  3. 8

    田原俊彦「姉妹は塾なし」…苦しい家計を母が支えて山梨県立甲府工業高校土木科を無事卒業

  4. 9

    藤川阪神の日本シリーズ敗戦の内幕 「こんなチームでは勝てませんよ!」会議室で怒声が響いた

  5. 10

    実業家でタレントの宮崎麗果に脱税報道 妻と“成り金アピール”元EXILEの黒木啓司の現在と今後