「捻挫」はなぜ癖になるのか…埼玉県立大などの研究グループが初めて解明

公開日: 更新日:

3 足部不安定性群では、前距腓靱帯で、足首の動きに対する神経伝達で重要な役割を担うPIEZO2という物質の発現が低下した

「研究結果が示すのは、足首の捻挫で足部不安定性になると、時間の経過とともに足首の前距腓靱帯のメカノレセプターが変性していき、足首の感覚や運動機能が低下したCAIを発症するということです」(村田准教授)

 前述の通り、CAIを改善するリハビリテーションの研究はこれまで多数行われてきたが、有効な方法は見つかっていなかった。それはすでに、靱帯のメカノレセプターの変性が起こってしまい、足首をスムーズに動かせなくなってしまっているからと考えられる。

「つまり、CAIになってから対策を講じるのではなく、重要なのは、足首の捻挫後、足部不安定性をうまく抑制し、CAIを起こさせないこと」

 足首の捻挫を起こすと、急性期では冷やして圧迫し、その後、安定するまでサポーターなどで固定する。

「足首のぐらつきと痛みは一致していません。本人は大丈夫だと思っても、医師や理学療法士が見ればまだ固定を外せないというケースは往々にしてあります。軽度でも2週間は足首を固定する必要があります。人によって固定の期間は異なり、医師が画像検査で確認しながら最終判断を行います」

 自己判断で固定を外すと、CAIになり捻挫を繰り返す……となりかねない。焦りは禁物だ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  2. 2

    遠野なぎこさんを追い詰めたSNSと芸能界、そして社会の冷酷無比な仕打ち…悲惨な“窮状証言”が続々

  3. 3

    ドジャース大谷翔平がついに“不調”を吐露…疲労のせい?4度目の登板で見えた進化と課題

  4. 4

    清原果耶「初恋DOGs」にファン失望気味も…《低視聴率女王》待ったなしとは言い切れないウラ事情

  5. 5

    会議室で拍手が沸き起こったほどの良曲は売れなかった

  1. 6

    国分太一が社長「TOKIO-BA」に和牛巨額詐欺事件の跡地疑惑…東京ドーム2個分で廃墟化危機

  2. 7

    兵庫は参院選でまた大混乱! 泉房穂氏が強いられる“ステルス戦”の背景にN党・立花氏らによる執拗な嫌がらせ

  3. 8

    極めて由々しき事案に心が痛い…メーカーとの契約にも“アスリートファースト”必要です

  4. 9

    遠野なぎこさんか? 都内マンションで遺体見つかる 腐乱激しく身元確認のためDNA鑑定へ

  5. 10

    新横綱大の里が直面する「遠方への出稽古慣れ」…車での長距離移動は避けて通れない試練に