著者のコラム一覧
下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

病院からの引き継ぎなく、いきなり自宅療養が始まった50代女性は…

公開日: 更新日:

 自宅療養を始める患者さんの事情はさまざまです。たとえば病院から余命を宣告され、家族と残された時間を過ごすために自宅へ戻る方、地域包括支援センターや自治体に相談し自宅療養を選択する方らがいます。

 どのような患者さんであっても、在宅医療を開始する前には必ず療養する環境の整備が必要になります。

 私たちはこれを「環境調整」と呼び、事前にケアマネジャーさんと協力し、介護ベッドやポータブルトイレ、手すりなど、自宅での療養に必要な環境を整えます。

 患者さんの状況に応じて調整を行いますが、残された時間が限られている患者さんもいて、本来なら準備に数日かかるところを待たず、優先的に自宅へ戻れるよう急ぎ環境を整えることもあります。そんな時も、患者さんの不安を取り除くため、医療と介護で方向性について事前にすり合わせを行うよう努めています。

 しかし、中には事前の準備が何もないまま、突然在宅医療が始まるケースもあります。

 今回の患者さんは「臨機応変な対人関係が苦手」「自分の関心ややり方、ペースを最優先する」といった特徴を持つ、自閉症スペクトラム障害を抱える55歳の女性でした。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    不慮の事故で四肢が完全麻痺…BARBEE BOYSのKONTAが日刊ゲンダイに語っていた歌、家族、うつ病との闘病

  2. 2

    「対外試合禁止期間」に見直しの声があっても、私は気に入っているんです

  3. 3

    箱根駅伝3連覇へ私が「手応え十分」と言える理由…青学大駅伝部の走りに期待して下さい!

  4. 4

    「べらぼう」大河歴代ワースト2位ほぼ確定も…蔦重演じ切った横浜流星には“その後”というジンクスあり

  5. 5

    100均のブロッコリーキーチャームが完売 「ラウール売れ」の愛らしさと審美眼

  1. 6

    「台湾有事」発言から1カ月、中国軍機が空自機にレーダー照射…高市首相の“場当たり”に外交・防衛官僚が苦悶

  2. 7

    高市首相の台湾有事発言は意図的だった? 元経産官僚が1年以上前に指摘「恐ろしい予言」がSNSで話題

  3. 8

    AKB48が紅白で復活!“神7”不動人気の裏で気になる「まゆゆ」の行方…体調は回復したのか?

  4. 9

    大谷翔平も目を丸くした超豪華キャンプ施設の全貌…村上、岡本、今井にブルージェイズ入りのススメ

  5. 10

    高市政権の「極右化」止まらず…維新が参政党に急接近、さらなる右旋回の“ブースト役”に