著者のコラム一覧
永田宏前長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

(5)血圧測定の新しい仕組みと問題点…血流による光吸収・反射で推測

公開日: 更新日:

 薬機法の承認を得ている3機種のうち、2機種はカフ式です。スマートウオッチというよりも、従来の手首用の血圧計にウオッチ機能を追加し、デザインを良くした製品といった感じでしょうか。椅子に座って呼吸を整え、ウオッチを着けた手首を心臓の高さに持ち上げて、スタートボタンを押すと、ベルト内のカフが膨らみ、血圧を測定してくれます。立ったままや動作中の測定はできませんし、連続的な測定もできません。しかし実質的にカフ式の血圧計ですから、普通の手首用血圧計とほとんど同じ精度で測れます。

 もう1機種は、光学式を採用しています。自動的、連続的に血圧を測定できるのですが、精度はカフ式よりもかなり落ちると言われています。また毎月1回、家庭用血圧計などで血圧を測定し、その数字を入力して補正をかける必要があります。

 カフ式も光学式も、いまはかなり高価ですし、購入するには時期尚早の気がします。しかし、とくに光学式は医学界からも期待されており、大きな市場も見込まれるため、技術の改良が急ピッチで進んでいます。今年か来年には、アップルをはじめとする主要なウオッチメーカーが、血圧が測れる機種を発売するとの報道もあります。それらが出揃うのを待ってからでも、遅くはないでしょう。

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