(4)不登校は親子関係の歪みを映し出す鏡…親のカウンセリングも不可欠
そんな家庭に育ったKさんは「親から認められ理解されるという経験が乏しかった」と言います。
母親に連れられてきたKさんは個人カウンセリングを始めてから2カ月の間、一言もしゃべろうとはしませんでした。
「当時の私は誰も信じられず、人と話しても意味がないと思い、しゃべらなかったのです」(Kさん)
頑なに口を閉ざし続けるKさんに小野所長は辛抱強く寄り添い、彼の心を開くきっかけを探っていきました。
「ゲームや漫画など中学生が興味を持ちそうな問いかけをしていると、彼はゲームに反応し、口を開き始めたのです」(小野所長)
以後、Kさんは自分の気持ちを少しずつ話すようになり、小野所長に信頼を寄せるようになりました。そして、カウンセリングから半年後、小野所長の励ましで、ついに登校を始めたのです。
「Kさんとの信頼関係を築いた上で、次は母親に個人カウンセリングと集団カウンセリングを行いました。母と子の関係をある程度修復してから、最後に父親に参加してもらいました」(小野所長)