(1)カギは「コリチゾール」と「ミトコンドリア」にあり
「その日につくられたコルチゾールを、できるだけ有効に、無駄遣いをせずに使うことが大事です。コルチゾールはストレスが多いと分泌量が増えます。しかし、その状況が続いて分泌量が常に多くなると、副腎が疲れ、限界が来て分泌量が減ってしまいます」
コルチゾールをキープする方法はいくつかある。できるだけストレスのない生活を送り、ストレス対応に使う分を極力減らす、というのも一つの方法だが、それができる人はごくわずか。そこで、ミトコンドリアがしっかり働くことが重要になる。
ミトコンドリアはご存じのように“エネルギーの生産工場”とも呼ばれる、細胞内に存在する小器官だ。細胞の活動に必要なエネルギーの9割以上をつくっている。
「体に起こった炎症の対応にコルチゾールを使ってしまわないため、細胞の活性をよくしておくことも大切です。そうなると、ミトコンドリアの活性が高い方がいいわけです」
コルチゾールの無駄遣いをなくすという意味でも、心身のエネルギー源を生み出すという意味でも、ミトコンドリアの活性が高いことは心身のパフォーマンス向上に直結するのだ。
しかしながらミトコンドリアも、加齢によって減少しやすく、活性が落ちることが知られている。コルチゾールの量とミトコンドリア活性をキープするための方法は明日から説明する。
(医療ライター・石井悦子)