著者のコラム一覧
東敬一朗石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

脳梗塞に使われる「フリーラジカルスカベンジャー」は発症24時間以内でなければ投与できない

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 フリーラジカルスカベンジャーにも、もちろん副作用はあります。特にそのひとつである急性腎不全については、過去に緊急安全性情報が出されています。そのため、投与中は腎機能の検査を行い、その兆候がみられないか細心の注意を払い、万が一、兆候がみられた場合は速やかに投与を中止します。

 フリーラジカルスカベンジャーは内服ではなく、点滴で投与するクスリです。添付文書の用法には、「脳梗塞発症24時間以内に投与を開始し、投与期間は14日以内とする」と記載されています。ここでポイントとなるのが、「発症24時間以内に投与を開始」することです。同じ脳梗塞であっても、発症して24時間以上経過してしまっていると使えないということです。

 すべての病気に共通することですが、脳梗塞も早期発見・早期治療がとても重要です。様子をみているうちに24時間以上経過してしまい、本来使えるはずだったクスリが使えなくなってしまうというのはとても残念なことなので、何か異変を自覚した際にはできるだけ早く医療機関を受診するようにしましょう。特にこれからの暑い季節は脱水などで血液がドロドロになりやすく、脳梗塞が起こりやすい時期でもあるので注意してください。

【連載】高齢者の正しいクスリとの付き合い方

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