(1)日本の摂食障害の患者数は24万人、死亡率は5%
摂食障害は以前から社会問題になっていましたが、日本で多くの人に知られるようになったのは、1983年、米国の歌手カレン・カーペンター(カーペンターズのボーカル)の死でした。彼女は長年、摂食障害を患っており、その治療中に亡くなり多くの人に衝撃を与えました。
摂食障害の主な症状は拒食や過食、過食・嘔吐を繰り返すというもので、拒食が高じると、栄養不良で入院が必要となり、場合によっては死に至ることもあります。国立精神・神経医療研究センターの資料では、患者数24万人、治療を受けていないが治療が必要な人は約40万人、死亡率は5%と推定されています。
10代の成長期に摂食障害になった場合の健康リスクを大石診療科長はこう話します。
「月経が止まり、骨密度の低下や無排卵(卵巣からの排卵がなくなる)となります。さらに、甲状腺の働きも低下し(甲状腺機能低下症)、その影響で低身長になる傾向があります」
無排卵状態は20代になっても続き、将来の妊娠・出産にも影響するそうです。