年間22万人が摂食障害で受診…急増する「過食症」は薬で改善できる

公開日: 更新日:

 国立精神・神経医療研究センターの報告によると、「摂食障害」で医療機関を受診している人の数は年間22万人に上る。中でも近年、公表する芸能人も増えた「過食症」はQOL(生活の質)を大きく低下させる。「ストレスケア日比谷クリニック」院長の酒井和夫氏に聞いた。

 摂食障害は、食行動を中心に心身に問題が現れる疾患の総称だ。体重増加を過度に気にして食事の量を極端に減らす「神経性痩せ症(拒食症)」と、衝動的なむちゃ食い(過食)と嘔吐や下剤で排出を繰り返す「神経性過食症(過食症)」に分けられる。

 中でも近年、患者数が増加しているのが後者だ。ダイエットの成功体験がトリガーになりやすいという。

「ダイエットで脳が栄養不足になると、脳内の食欲の中枢が飢餓状態に近づいていると判断し、餓死しないよう強い食欲を生じさせます。それにより過食をすると、血糖値が急上昇し脳内に快楽物質が分泌され、報酬系を刺激します。さらに過食症の方は過食による体重増加を避けようと自分で嘔吐をするケースが多いのですが、この吐き出す行為も快楽を感じやすい。こういった報酬系の回路が一度完成してしまうと、過食嘔吐をやめたくても自分の意思ではコントロールできなくなり、数十年も抜け出せなくなるのです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    国分太一コンプラ違反で無期限活動休止の「余罪」…パワハラ+性加害まがいのセクハラも

  2. 2

    クビ寸前フィリーズ3A青柳晃洋に手を差し伸べそうな国内2球団…今季年俸1000万円と格安

  3. 3

    高畑充希は「早大演劇研究会に入るため」逆算して“関西屈指の女子校”四天王寺中学に合格

  4. 4

    「育成」頭打ちの巨人と若手台頭の日本ハムには彼我の差が…評論家・山崎裕之氏がバッサリ

  5. 5

    進次郎農相ランチ“モグモグ動画”連発、妻・滝川クリステルの無関心ぶりにSNSでは批判の嵐

  1. 6

    「時代と寝た男」加納典明(19) 神話レベルの女性遍歴、「機関銃の弾のように女性が飛んできて抱きつかれた」

  2. 7

    吉沢亮「国宝」が絶好調! “泥酔トラブル”も納得な唯一無二の熱演にやまぬ絶賛

  3. 8

    ドジャース大谷「二刀流復活」どころか「投打共倒れ」の危険…投手復帰から2試合8打席連続無安打の不穏

  4. 9

    銘柄米が「スポット市場」で急落、進次郎農相はドヤ顔…それでも店頭価格が下がらないナゼ? 専門家が解説

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希 球団内で「不純物認定」は時間の問題か...大谷の“献身投手復帰”で立場なし