寝たきりになった男性はどのように人間力を回復したのか(2)
さらに2カ月後には、見守りの下で自分ひとりでゆっくりと起き上がり、車いすを使ってトイレに行って、自力で排泄できるようになりました。顔を洗い、歯を磨き、髪をとかすこともできます。寝たきりで衰えてしまった筋力を戻したり、歩くトレーニングも少しずつ続けた結果、3カ月後にはひとりで身の回りの簡単な用事ができるまでに回復したのです。
それまでの施設では、「この状態から回復して自分の口から食べられるようになるのは難しい」と言われ、危険だからと経鼻経管栄養のチューブを外すこともありませんでした。寝たきりのままで体を起こすことも、車いすに座らせることもなく、「これ以上はよくなりません」と告げられていました。それが、酒向先生がいらっしゃる病院に転院してからおよそ4カ月でここまで回復し、退院して一緒に自宅に戻ることができたのです。周囲からは「奇跡だ」と言われました。 (つづく)
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