寝たきりになった男性はどのように人間力を回復したのか(3)
くも膜下出血で一命を取りとめたものの、寝たきり状態になってしまった男性患者さん(当時61歳)の奥さまのお話の続きです。
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一縷の望みをかけて、酒向正春先生が院長代理をされていたリハビリ病院に転院してから4カ月後、食事を口からのみ込み、ひとりで身の回りの簡単な用事ができるまでに回復しました。そして、一緒に自宅に戻ることができたのです。
退院後、夫はリハビリを重視している老人介護施設に入所しました。介助の下、起き上がることはできるようになりましたが、それでも頻繁に寝返りさせてあげないと床ずれが起こってしまいます。当時、私は会社勤めをしていたため、夜中にケアすることがどうしても難しかったのです。
それから3年後の2019年、老人介護施設を退所し、小規模多機能型居宅介護施設の助けを受けながら、在宅介護を開始しました。小規模多機能型居宅介護施設というのは、自宅での生活を続けられるように支援してくれる地域密着型の介護サービスで、利用者の希望に応じて、「デイサービス=通所」「ショートステイ=宿泊」「ホームヘルプ=訪問」の3つを組み合わせて提供してくれるサービスです。


















