治療開始から10年超…元プロレスラーの垣原賢人さん語る濾胞性リンパ腫

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治療で一番大事なのは筋肉だと思っている

 それでも再発の恐怖は消えることはありません。その怖さを振り払うためには、もっと怖いことをしなくちゃいけないと思って、2017年にプロレスの兄弟子である藤原喜明選手とのエキシビションマッチや、翌年には鈴木みのる選手との試合も自ら企画しました。

 それは、自分の病気を知って、プロレス時代のファンの方々がものすごい熱量で応援してくれたので、その恩返しの気持ちもあったのです。一瞬の復帰とはいえ、「やるからには全力で」とがんばったんですけど、もちろん全然歯が立ちませんでした。

 またキャンピングカー業界の方々も信じられないくらい応援してくださいました。会場の一角で子供たちに昆虫イベントをしていた自分に、「治療のために使ってください」とキャンピングカーを1台、貸してくださったのがナッツRVの荒木賢治社長です。

 じつはイベントで家族を乗せて全国を回っている「ミヤマ仮面号」がそれ。イベントへの移動手段でもありますが、治療後、“がんに効く”といわれる湯治場があれば全国どこにでも行くようになりました。「湯上がりに気兼ねなく横になれるように」と、ポンと貸してくださって、かれこれ10年になりますか。新車が出るたびにミヤマ仮面号も新しくなるというありがたい応援をいただいています。

 一番自分に合ったお湯は福島県にある「やわらぎの湯」。高濃度天然ラジウム泉で毎年必ず治療に行っています。

 知り合いから聞いた食事療法や生薬を煮出して作る本格的な漢方も飲んでいた時期があります。でも今は、基本、妻の手作り料理。お酒は一切飲まなくなりました。プロレス時代は、肉と酒の大量摂取をしていましたけど、その頃とは真逆な聖人君子のような生活です(笑)。

 夜は9~10時に寝て、朝は5時起き。週3回はジムに通って筋トレしてます。じつは治療で一番大事なのは筋肉だと思っているんです。自分だけかもしれませんけど……。

 ちょっと怖かったのは去年、突然体重が落ちたこと。治療後はずっと72キロをキープしていたのですが、食事量や生活は変えていないのに62キロまで下がって焦りました。定期検診で先生に言えなかったくらい怖かった。この4月から白湯とココアを飲むことを続けていたら、やっと70キロまで戻ってきたところです。

 家族には頭が上がりません。恩返しは「倒れないで生き続ける」こと。やっぱりお酒なんて飲んでる場合じゃありません。

 仕事を続けるために無理をしないことを心がけています。朝起きられたら「ラッキーだ」と毎日思います。毎朝神棚に手を合わせて「ありがとう」と言いますし、昆虫たちにも感謝して、おいしいゼリーをあげていますよ。

(聞き手=松永詠美子)

▽垣原賢人(かきはら・まさひと) 1972年生まれ、愛媛県出身。17歳でUWFに入団し、新日本プロレスなど数々の団体で活躍するも、2006年に頚椎損傷で引退。その後、ミヤマクワガタを愛するミヤマ仮面として活動。キャンピングカーで全国を回りながらクワガタを戦わせる「クワレス」などの昆虫イベントをプロデュース。森林保護の啓蒙と共にプロレスの普及活動にも尽力している。

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