(2)ちぎれて取れなくなった靴ひもを抜いて…性的欲望は底深い
ほかにも、尿道にガラス棒や水銀体温計を入れて取れなくなった、割れたら大変だから抜いてくれ、と女性を伴い駆け込んでくる男性もいました。
医学生だった頃、東大の有名な泌尿器科の先生が、「この世の中で、膀胱の中にないものはない」とおっしゃっていましたが、本当でした。尿道から入れた異物が取り出せない状態を「尿道異物」「膀胱異物」と言います。どういうわけだか、人は尿道にものを入れたがるようです。
異物は、ストロー、コード、糸、体温計、鉛筆、針、箸、綿棒などさまざま。人間の性に対する底知れぬ欲望を知り、驚きの連続です。玩具を肛門に入れて抜けなくなったなんてことは日常茶飯事でした。
父親が中学生の子供を連れてきたこともありました。
「この野郎、ガキのくせして大事なところから膿を出してやがる。父親もなったことのない病気にかかりやがって!」
父親の怒鳴り声が診察室に響きます。この子は淋病でした。
父親を診療の邪魔だからと診察室から連れ出した後、「相手は誰? その人も治療しないといけないからね」と聞くと、小声で「塾の先生」と言います。予想外の言葉でした。「治療するよう伝えてね」と返すのが精いっぱいでした。


















