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南渕明宏昭和医科大教授

心臓血管外科専門医、医学博士。

ノーベル文学賞…老人が「病院」を壊すのは社会の根幹の破壊を示しているのか

公開日: 更新日:

 機材を破壊するだけでなく、ベッドで寝ている患者を引きずり出して暴力を振るいます。何のために? 人々は何に怒りをぶつけていいのかわからないのです。とにかく目の前のものを破壊する。壊せるものなら椅子でもベッドでも看板でも何でも壊す。どこで起こる「暴動」もそんなものなのかもしれません。

 しかし、病院が描写されているのは特別な意味があると感じました。これは「社会」の根幹の破壊を示しているのではないでしょうか。病院は「命を守る」という揺るぎない共通の価値観で「社会」が生み出した「機関」です。医療者をボロクソに罵倒する「困った患者」でも、医療者は分け隔てなく患者としてやさしく手厚く治療します……と信じられています。

 いわゆる「社会」が「社会」であるための、誰もが必要と感じ、期待し、信頼している装置、「コモン」なのです。それを「暴動」が打ち壊している、というのは究極のカオスと言えます。

「暴動」が破壊したのが税務署だったとしたら、それは普通です。誰もが破壊したいと思っているからです。自民党の政治家が支払ってもいない300万円もの労務費を政治資金の支出としてごまかしてもパー券でがっぽり儲けても、「誤記載」として訂正すれば済んでしまいます。一般人なら「悪質な脱税行為」として追徴課税されるのに! まさに「不公平署」です。

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