心臓と「骨折」の関係…共通するリスクがたくさんある
これまで何度かお話ししてきたように、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンには、血管内皮を保護する作用をはじめ、血管のしなやかさを保って血管径を維持したり、LDL(悪玉)コレステロールを減らしてHDL(善玉)コレステロールを増やす作用など、血管や心臓を守る働きがあります。そのため、閉経によってエストロゲンが減少すると、血管や心臓を保護する作用が失われ、動脈硬化が進行したり、血圧が不安定になったり、弁の石灰化が促進されるなどして、心血管疾患の発症リスクがアップしてしまいます。
そしてエストロゲンは、骨の健康にも大きく関わっています。骨は、古くなった骨を壊す働き=骨吸収と、新たに骨を作る働き=骨形成のバランスが常に保たれていることで、硬く丈夫な状態を維持しています。エストロゲンは骨吸収のスピードを緩やかにして、骨を作る働きを助ける役割を担っていますが、閉経してエストロゲンが減少すると、骨吸収が進んで骨密度が減り、骨がもろくなって骨粗しょう症や骨折のリスクが急激に高まるのです。
心臓トラブルと骨折には、ほかにも共通したリスクがあります。たとえば、冠動脈疾患の代表的なリスク因子である動脈硬化は、骨密度の低下を招いて骨折を引き起こすリスクを高めることが知られています。どちらも、慢性炎症、カルシウム代謝の異常、血流の低下などが原因で同時進行しやすいのです。


















