筆記用具の売り上げ増 スマホ時代に“手書き需要”のフシギ
パソコン、スマホの普及で字を極端に書かなくなったという人も多いが、なぜか筆記具の売り上げは急増している。
矢野経済研究所によると、14年度の国内ボールペン市場(出荷ベース)は前年比5.8%増の439億円。15年度も2.7%増の予測で、4年前に比べて106億円(30%増)。同様にシャープペンも4年前から18%増と好調だ。
この現象は出版界にも波及。「夢をかなえる!私のノート術」(宝島社)が発売2週間で7万部を突破している。
同書では、「『引き寄せ』の教科書」が累計42万部のベストセラーとなっている人気作家、奥平亜美衣氏のノート術も紹介。2年前まで彼女も会社員だったが、「会社が嫌でたまらなかった」ことから手書きのノートをつけるようになったという。奥平さんは日々の出来事の中で、「いいこと」だけをノートに記述。「車窓から富士山が見えた」など単純な日常だが、これらを毎日の通勤電車で読み返すことによって、ラクな気分で会社に行けたという。
なんと、文通までブームが復活。日本郵便が運営する青少年ペンフレンドクラブの会員数は約1万5000人だ。
手書きは、SNSでは伝わらない温もりがあるのだ。