前川喜平氏もボランティアに 「夜間中学」知られざる実態
「人生100年時代」といわれ、多くの人が70歳以降も働き続ける世の中になると、その間、ひとつの会社で働き続けるのではなく、転職や起業をしたり、知識や技能を深めたりするのが当たり前になるという。特に、こうした労働期間の長期化、AIなどのITの進化でもたらされる変化に対応するため、大学院や専門教育機関で学び直す人が増えていくと予想される。
その一方で、いじめによるひきこもり、病気や家庭内でのDV、経済的な事情で義務教育の期間に学ぶことができなかった“こぼれ落ちた”人たちの「学び直し」にも焦点が当たりつつある。今、学校に通えない人、通えなかった人が、社会で必要な基礎学力を身につける「学び直し」の場として、「夜間中学」が受け皿になり始めているのだ。
「夜間中学」というと、戦後から高度経済成長期にかけて、昼間働いている若者が基礎学力を身につける場所というイメージを持つ人が多いだろう。高度成長期以降、進学率の上昇とともにその役割を終えたと思われた夜間中学が、時代とともにその姿を変えている。