【千枚蕪と柿の酢物】シャクシャクとトロッとのハーモニー
和食職人の技を披露するかのような、美しく盛り付けされた蕪と柿。見るだけでも食欲をそそられる一品だ。
「蕪を柿と一緒に甘酢に漬け込みました。ある程度の食感を残すために、あまり薄くスライスしない。若干厚めにしています。強めに塩をふることもポイントですね。重しがなければ、まな板を置いて重めのお皿を置くことで代用もできます」
シャクシャク、シャクッ。しっかりと歯ごたえを残しつつ、柿のトロッとした食感もある。柿がこれほどうまいツマミに化けるとは驚きだ。ほんのりとしたユズの香りも上品さを増している。これは辛口の冷酒がよく合うな。
「合わせる酒は、『大吟醸 喜多屋』です。糸島産(福岡県)の山田錦を使ったしずく搾りで、知る人ぞ知る名酒です」
芳醇で濃厚なのにスッキリした飲み口で、飲んだ後の余韻も楽しめる。2013年にIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)の日本酒部門で「チャンピオン・サケ」を受賞している酒で、稚加榮でも人気だそうだ。