焼肉鳥「gg」を運営 「クーニーズ・アソシエ」青島邦彰社長の巻<1>
炭火焼きホルモン ぐう五反田
炭火焼きのホルモン屋さんというと、七輪の煙がモクモクしているような雰囲気をイメージするでしょう。何となく頭に浮かぶのは焼き肉屋さんより雑多で、大衆的な感じです。
この店も、七輪で焼きますが、その上には排煙設備が整っていて、煙モクモク系ではありません。上着やバッグを入れておく大きなゴミ袋がないのが、その証拠。においを気にせずに食べられるのがいいんです。
もちろん、ホルモンの鮮度や肉質は抜群。ぜひ召し上がっていただきたいメニューのひとつが、シビレ(700円)、牛の胸腺、オッパイです。ホルモンは掃除がおろそかだと、においが気になります。シビレはその典型ですが、においは一切なし。
火をほどよく通すと食感はジューシーで、クリーミー。掃除のよさはもちろん、鮮度のよさもバッチリです。
店の仕事ぶりが肉のおいしさに出る
定番のホルモン(780円)は、皮目からじっくりと火を入れると、脂が溶け出して、火が上がります。店員さんが氷を持ってきて“消火”してくれるのでご安心を。口に運ぶと、脂の甘味とウマ味がちょうどよく、スッと胃に落ちます。脂の重さや、ベタつきは皆無。胃もたれ無縁のホルモンです。
こちらは牛中心のホルモンですが、豚のホルモンもそろえています。豚は、牛よりも丁寧な処理が大事。たとえば、ノドナンコツは、私の大好物で、軟骨のコリコリとした食感と周りのタンパク質のプリッとした食感のコントラストがよく、ビールのアテに最高の部位です。そうやっておいしくいただけるのは、筋をしっかり切っているからです。筋切りが甘いと、かみ切るのが大変で、店の仕事ぶりが分かりやすい部位でもあります。その点ここは安心。
保健所の許可で和牛ユッケもメニューに
牛のあご肉(780円)も、歯ごたえがよく、食感が命。網で焼いていると、火が通っていくにつれ、タテに包丁が入れてあるのが分かります。すべての部位がこの通りで、丁寧な仕事ぶりが見て取れます。
保健所の許可を取っていて、和牛ユッケ(1480円)も通常メニューに。モツ煮込み(480円)がみそではなく、塩なのも実力の証し。みそでにおいをゴマカしている店は少なくありませんから。
メニューには部位ごとに、塩やみそ、しょうゆなどおすすめの味付けが書かれています。どれか選んで食べるのですが、テーブルにタレはありません。タレでゴマカさないのも、自信の表れでしょう。
各テーブルには、除菌水が置いてあり、新型コロナ対策もバッチリ。衛生意識の高さがうかがえます。
(取材協力・キイストン)
■炭火焼きホルモン ぐう五反田
東京都品川区西五反田1―25―7
℡03・3493・3729
▽クーニーズ・アソシエ「コックがニーズに応える」をコンセプトに、店舗プロデュースやメニュー開発を行う。これまでに手掛けた店舗は数百に上る。
▽あおしま・くにあき 1970年、神奈川県出身。20歳でフランス料理の道へ。97年、サンライズ・ジャパンレストラン事業部トータルプロデューサーに就任すると、「news DELI」が大ヒット。カフェブームの立役者に。03年、プロデュース会社「クーニーズ・アソシエ」を設立。