ウナギを届けて240円 ウーバーイーツは江戸時代もあった
最近どこに行ってもウーバーイーツの姿を見る。こんなご時世だから、多少値段がかかっても、家で待っている方がいいらしい。あくまでデリバリーであって、店が提供している出前とは違う。
江戸も出前文化はあった。その中でも人気なのが鰻である。冷めた鰻はまずい、というので、江戸っ子はなるべく熱いものを持ち帰ろうとした。
まず初めに登場したのはおからである。熱したおからの上に鰻をのせて重箱に入れた。だが、これだと冷めるのも早かったらしい。
最終的に、熱い飯の上に鰻をのせるのが一番いいということで「鰻丼」が生まれた。最初は「芝居町」という歌舞伎座があるあたりで食べられたらしい。
いま暮らしていると、「出前」は当たり前の感覚である。しかし、江戸時代にはバイクもなければ自転車もない。すべてが徒歩である。すると、店の人間が出前に行くのは現実的ではない。
基本的には、食べる側の家の人間が取りに行くことが多かった。自力デリバリーである。しかし、多くの文献には「持ってこさせた」とも書いてある。