忍び寄る新型コロナ第6波の恐怖…海外事例から浮上する「2つの懸念」を上昌広氏が解説

公開日: 更新日:

 新型コロナウイルスをめぐって、海外で気がかりな事象が2つ起きている。必ず来ると言われる第6波が心配になってきた。

【デルタプラス】

 ワクチン接種率7割を超える英国は新規感染者数が4万~5万人と再び感染が拡大中だ。保健当局が警戒を強めているのがデルタ株から派生した「デルタプラス」だ。デルタ株より10~15%感染力が強い可能性を指摘する専門家もいる。急速に拡大し、すでに感染者の10%を占めるという。

 23日まで死者数が5日連続過去最多を更新したロシアでもデルタプラスが確認されている。

「感染力が強い変異株が先行株に置き換わるケースは日本の第4波、第5波でも起きました。デルタプラスが第6波の流行の主流になる可能性は否定できません」(医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏)

 英国でデルタプラスがシェアを伸ばしていった場合、日本の水際対策を強化して食い止める必要がある。アルファ株やデルタ株では政府は何もしなかった。松野官房長官はさらなる水際緩和に前向きな意向を表明しているが、デルタプラス次第で規制強化へと方向転換できるのか。

【ブースター接種】

 世界で最も早くワクチン接種を実施したイスラエルでは、効果が薄れるのも早かった。夏に感染が再拡大し、致死率も上昇。大急ぎで3回目接種を進めた結果、致死率は大幅に低下したという。

「イスラエルは感染者数よりも致死率を重視しているようです。時間が経過し、ワクチンの効果が低下することで高齢者や基礎疾患持ちの人は死に至ると察知して、イスラエルは5月ごろ、ブースター接種に踏み切りました。現在、日本ではワクチン接種に余裕が出てきている。死亡リスクの高い人に対して、すみやかに3回目接種を行わないと、手遅れになります」(上昌広氏)

 政府は年内に医療従事者、年明けに高齢者を対象に3回目接種を始める方針だが、第6波に間に合うのか。ちょっとは海外から学んではどうだ。
 

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のライフ記事

  • 暮らしのアクセスランキング

  1. 1
    吉本興業前会長・大﨑洋氏が開催危ぶまれる大阪万博について激白…プロジェクトチーム“自腹運営”の苦境

    吉本興業前会長・大﨑洋氏が開催危ぶまれる大阪万博について激白…プロジェクトチーム“自腹運営”の苦境

  2. 2
    岸田政権「辞任ドミノ」再来も…加藤鮎子・小渕優子・土屋品子3氏に醜聞続出、“第1号”は誰?

    岸田政権「辞任ドミノ」再来も…加藤鮎子・小渕優子・土屋品子3氏に醜聞続出、“第1号”は誰?

  3. 3
    杉田水脈氏の「人権侵犯」認定で…国連演説で「人間の尊厳」を唱えた岸田首相に怒りの矛先

    杉田水脈氏の「人権侵犯」認定で…国連演説で「人間の尊厳」を唱えた岸田首相に怒りの矛先

  4. 4
    杉田水脈議員ついに崖っぷち…アイヌ侮蔑で「人権侵犯」認定、“ただの人”への秒読み開始

    杉田水脈議員ついに崖っぷち…アイヌ侮蔑で「人権侵犯」認定、“ただの人”への秒読み開始

  5. 5
    維新“吉村ブランド”に陰り…池下卓議員秘書「二重報酬」のグダグダ対応で党内からブーイング

    維新“吉村ブランド”に陰り…池下卓議員秘書「二重報酬」のグダグダ対応で党内からブーイング

  1. 6
    文化庁トップの都倉俊一長官まで旧統一教会とずぶずぶ…まさかの黒歴史「記憶が定かではない」で済むのか

    文化庁トップの都倉俊一長官まで旧統一教会とずぶずぶ…まさかの黒歴史「記憶が定かではない」で済むのか

  2. 7
    慶応の特待生制度 “最大で総額1000万円”を断った学生が行く東大理Ⅲはどんな場所?

    慶応の特待生制度 “最大で総額1000万円”を断った学生が行く東大理Ⅲはどんな場所?

  3. 8
    東京・大塚「日本最古のバッティングセンター」が閉店…本物の昭和レトロが消滅危機

    東京・大塚「日本最古のバッティングセンター」が閉店…本物の昭和レトロが消滅危機

  4. 9
    大阪万博は自前パビリオン続々撤退…“プレハブ建て売り”に舵でも工事が間に合わない根拠

    大阪万博は自前パビリオン続々撤退…“プレハブ建て売り”に舵でも工事が間に合わない根拠

  5. 10
    マイナ保険証のすさまじい嫌われぶり…全国利用率が5%割れ目前、今後どこまで下がるのか

    マイナ保険証のすさまじい嫌われぶり…全国利用率が5%割れ目前、今後どこまで下がるのか

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    元キスマイ、元V6メンバーが相次いで告発…現役グループの“性加害被害”にジャニオタ悲鳴

    元キスマイ、元V6メンバーが相次いで告発…現役グループの“性加害被害”にジャニオタ悲鳴

  2. 2
    勝みなみ、西村優菜、渋野日向子…帰国中の女子海外組「シード当落線上」プロの胸中

    勝みなみ、西村優菜、渋野日向子…帰国中の女子海外組「シード当落線上」プロの胸中

  3. 3
    元シブがき隊・本木雅弘はなぜ潰されなかった? 奥山和由氏が明かしたメリー氏の「圧力」

    元シブがき隊・本木雅弘はなぜ潰されなかった? 奥山和由氏が明かしたメリー氏の「圧力」

  4. 4
    北公次による35年前の「性被害告発」の凄まじい“影響力” ジャニーズCD販売数が軒並み下落

    北公次による35年前の「性被害告発」の凄まじい“影響力” ジャニーズCD販売数が軒並み下落

  5. 5
    東山紀之新社長の二面性、TVマンが見た“ウラ”の顔は「番組降板時にCPを睨みつけ、無言で楽屋に…」

    東山紀之新社長の二面性、TVマンが見た“ウラ”の顔は「番組降板時にCPを睨みつけ、無言で楽屋に…」

  1. 6
    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  2. 7
    村西とおる監督が藤島ジュリー景子氏に激怒!「北公次の墓前で手を合わせ、全財産を差し出せ」

    村西とおる監督が藤島ジュリー景子氏に激怒!「北公次の墓前で手を合わせ、全財産を差し出せ」

  3. 8
    吉本興業前会長・大﨑洋氏が開催危ぶまれる大阪万博について激白…プロジェクトチーム“自腹運営”の苦境

    吉本興業前会長・大﨑洋氏が開催危ぶまれる大阪万博について激白…プロジェクトチーム“自腹運営”の苦境

  4. 9
    ジャニー氏の庇護を受けてきた東山紀之の“裏の顔” 超人気女優との"同棲"も事務所パワーで握り潰す

    ジャニー氏の庇護を受けてきた東山紀之の“裏の顔” 超人気女優との"同棲"も事務所パワーで握り潰す

  5. 10
    どうなる“ジャニーズの妻たち”の命運…木村佳乃は「ソーセージを食べる演出は絶対できない」

    どうなる“ジャニーズの妻たち”の命運…木村佳乃は「ソーセージを食べる演出は絶対できない」