「硫黄島の星条旗」をリアルに目撃した元米海軍兵士が102歳で死去 ノルマンディーに“上陸”する前に…

公開日: 更新日:

 第2次世界大戦で連合軍のノルマンディー上陸作戦のDデー(作戦決行日)から80年となる6月6日、フランス北西部で記念式典が開かれたが、この式典に招かれていた102歳になる米海軍の退役兵士が、ノルマンディーに“上陸”する前に死去した。

 元米海軍2等通信士官のロバート・ペルシチッティさんで、ノルマンディーに向かう途中、船で北海を航行中に具合が悪くなり、5月31日に搬送先のドイツの病院で亡くなった。

 臨終の場にいたロバートさんの介護人によると、女性医師がスマホで、ロバートさんが大好きなフランク・シナトラの歌を再生し、それを聴きながら安らかに息を引き取ったという。

 ロバートさんは米揚陸指揮艦「エルドラド」で勤務し、対日戦で1945年の硫黄島、沖縄戦に参加した。

 硫黄島の作戦時、島の近くに停泊したエルドラドは従軍記者本部となり、その施設・機材で激戦の海岸から米本土に直接放送。報道陣にはAP通信のジョー・ローゼンタールもいて、摺鉢山頂上に星条旗を掲揚する有名な写真を撮影した。ロバートさんもその様子を見ていたそうだ。

 戦後はニューヨーク州ロチェスターで教師として勤務。ここ19年間はロチェスターの高齢者施設「ソルスティス・シニア・リビング・アット・フェアポート(SSLAF)」で暮らしていた。写真は同施設で追悼のために飾られたものだ。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  2. 2

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  3. 3

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  4. 4

    最後はホテル勤務…事故死の奥大介さん“辛酸”舐めた引退後

  5. 5

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  1. 6

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  2. 7

    名古屋主婦殺人事件「最大のナゾ」 26年間に5000人も聴取…なぜ愛知県警は容疑者の女を疑わなかったのか

  3. 8

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 9

    高市内閣支持率8割に立憲民主党は打つ手なし…いま解散されたら木っ端みじん

  5. 10

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘