年金目減り不可避「高齢者8割就労」の無間地獄…“都合良い数字”で検証する厚労省の姑息

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 特筆すべきは、検証に織り込んだ高齢者の就業率の見通し。60代は22年の実績値が62.1%だったが、40年には77.6%に達すると仮定。70歳以上の就業率も22年から40年には7ポイント増の25.2%を見込む。

■70歳以上の4人に1人が働く

 将来的に60代の約8割、70歳以上の4人に1人が働き、年金を下支えする環境こそが、所得代替率5割死守のシナリオなのだ。

「年金制度を維持する安心材料として楽観的な数字を出しているのでしょうが、とても額面通りには受け取れません。本来、理想は働きたい高齢者に働く選択肢があることですが、年金だけでは生活できずに働かざるを得ないのが現状です。政府は過去最高税収なのに国民へ還元せず、財政健全化の名の下に医療・介護などの社会保障費を削っている。都合の良い数字を並べる前に、まずは税の取り方と分配を見直すべきです」(立正大法制研究所特別研究員の浦野広明氏=税法)

 年金制度の限界に手をこまねいている失政を棚に上げ、老体にムチ打って働けとは“無間地獄”じゃないか。

  ◇  ◇  ◇

 関連記事【もっと読む】では 国民年金の保険料納付期間を5年延長する案についても詳しく報じている。

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