著者のコラム一覧
シェリー めぐみジャーナリスト、ミレニアル・Z世代評論家

NY在住33年。のべ2,000人以上のアメリカの若者を取材。 彼らとの対話から得たフレッシュな情報と、長年のアメリカ生活で培った深いインサイトをもとに、変貌する米国社会を伝える。 専門分野はダイバーシティ&人種問題、米国政治、若者文化。 ラジオのレギュラー番組やテレビ出演、紙・ネット媒体への寄稿多数。 アメリカのダイバーシティ事情の講演を通じ、日本における課題についても発信している。 オフィシャルサイト:https://genz-nyc.com

米大統領選でアメリカ国民は中絶擁護より経済を選んだのか?

公開日: 更新日:

 アメリカ大統領選がトランプ前大統領の勝利で終わったことはご存じの通りです。ざっくりですが、争点を経済と移民問題に絞り込んだことが、勝利の鍵になったとされています。ハリス副大統領も中絶擁護など人権や民主主義の維持を前面に掲げて善戦しましたが、届きませんでした。

 では、アメリカ国民は中絶擁護より経済を選んだのでしょうか? いやそうではないという論調もあります。なぜなら10州で同時に行われた住民投票では、7州で中絶擁護派が勝ったからです。

 7州の中でもアリゾナ、ミズーリの2州は、中絶が事実上禁止の州でした。つまりこの住民投票で禁止法が覆ったことになります。他の5州では、今後議会が禁止法を通過させることはできなくなりました。

 ところが不思議なことに、同じように中絶擁護を訴えたハリス氏は、この7州のうち、4州で負けています。

 この矛盾について、メディアはこう分析しています。ハリス氏は確かに中絶擁護を強く押し出しました。流産したのに中絶と見なされ訴えられた女性や、同じく流産しているのに、中絶と同じ施術が受けられず生死をさまよった女性など、医療の混乱が女性の健康を著しく妨げている。中絶問題は政治問題ではなく医療問題だというメッセージが、ハリス氏のおかげで一気に知られるようになったのです。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 暮らしのアクセスランキング

  1. 1

    参政党トンデモ言説「行き過ぎた男女共同参画」はやはり非科学的 専業主婦は「むしろ少子化を加速させる」と識者バッサリ

  2. 2

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  3. 3

    東京・荒川河川敷で天然ウナギがまさかの“爆釣”! 気になるそのお味は…?

  4. 4

    「備蓄米ブーム」が完全終了…“進次郎効果”も消滅で、店頭では大量の在庫のお寒い現状

  5. 5

    国保の有効期限切れが8月1日からいよいよスタート…マイナ大混乱を招いた河野太郎前デジタル相の大罪

  1. 6

    コメどころに異変! 記録的猛暑&少雨で「令和の大凶作」シグナルが相次ぎ点灯

  2. 7

    8月の食品値上げは前年同月の1.5倍! インフレあおる無策日銀のせいで庶民生活は「限界突破」

  3. 8

    悠仁さまのお立場を危うくしかねない“筑波のプーチン”の存在…14年間も国立大トップに君臨

  4. 9

    「イネカメムシ」大量発生のナゼ…絶滅寸前から一転、今年も増加傾向でコメの安定生産に黄信号

  5. 10

    参政党さや候補のホストクラブ投票キャンペーンは、法律的に公選法違反になるのか

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    本命は今田美桜、小芝風花、芳根京子でも「ウラ本命」「大穴」は…“清純派女優”戦線の意外な未来予想図

  1. 6

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  2. 7

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  3. 8

    石破首相続投の“切り札”か…自民森山幹事長の後任に「小泉進次郎」説が急浮上

  4. 9

    今田美桜「あんぱん」44歳遅咲き俳優の“執事系秘書”にキュン続出! “にゃーにゃーイケオジ”退場にはロスの声も…

  5. 10

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃