著者のコラム一覧
髙橋裕樹弁護士

「すべては依頼者の笑顔のために」がモットー。3000件を超す法律相談実績を持ち、相続や離婚といった身近な法律問題から刑事事件、企業法務まで何でもこなすオールマイティーな“戦う弁護士”。裁判員裁判4連続無罪の偉業を成し遂げた実績を持つ。アトム市川船橋法律事務所。

「僕はやっていない」と言ったら逮捕される現実…おかしくありませんか?

公開日: 更新日:

 本当に犯罪をやっていない人が、警察から疑いをかけられたとします。「僕はやっていない」と当然否認し、無実を主張しますよね。でも、警察や関係者は、「否認しているなら証拠を隠すかもしれないし、逃げるかもしれない」として、その人を長い間、警察署で身柄拘束をしている。こんなことが現在も現実に起きています。

 本来、逮捕や勾留が認められるのは、逃げたり証拠を隠したりする現実的な危険性がある場合に限られますし、その危険性がある間だけ身柄を拘束するというのが建前です。

 しかし実際の運用では、裁判官ですら「否認している=証拠隠滅と逃亡の可能性がある」と短絡的に判断し、身柄拘束が続けられます。「関係者と口裏を合わせる可能性がある」「まだ発見されていない証拠を破棄するかもしれない」と。

 そんな抽象的な可能性は全ての事件にありますので、こじつけようと思えばいくらでもこじつけられます。

 このような状況は、いわば事件を否認している限り、警察が監禁を続けられる状況であるため、「人質司法」と呼ばれ、国内外から強い批判を受けており、日本の刑事制度に対する信頼を揺るがす原因にもなっています。逮捕された方々は、「認めれば早く出られる」「否認すると勾留が長くなる」というジレンマに陥れられ、自白してしまうケースが後を絶ちません。しかし、警察・検察はもとより裁判所も、まったく改善しようとしません。

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