早実初等部を凌駕する慶応幼稚舎の人脈網…パワーカップルを惹きつけるもう一つの理由
兄弟2人とも幼稚舎出身。「スポーツ万能だったのは兄のほう」と振り返るのは幼稚舎関係者だ。3年生の時に野球を始めたが、5年生になるとヒザの成長痛に悩まされるように。中学、高校では野球から離れていた。大学に上がる前になって再び野球熱が上昇。そこで相談したのが塾高野球部の森林貴彦監督だった。幼稚舎教諭でもある森林氏は正吾の担任を務めた。
「幼稚舎ではクラス替えがないので、6年間、担任も一緒。強固な絆が生まれる」(幼稚舎関係者)
正吾は森林氏を訪ねると、慶応大で野球部に入りたいと打ち明けた。中高6年間のブランクは小さくなかったが、森林氏は堀井哲也・大学野球部監督のもとに正吾を連れていき、入部許可を一緒に頼んでくれた。
慶応では塾員、塾生(在学生)、教職員、保護者を「義塾社中」と呼ぶ。すべてをひっくるめて、ひとつのカンパニーととらえているのだ。その出発点である幼稚舎に人気が集まるのもうなずける気がする。