早実初等部を凌駕する慶応幼稚舎の人脈網…パワーカップルを惹きつけるもう一つの理由
文部科学省の4年前の調査によると、私立小学校に子どもを通わせる家庭で世帯年収が1200万円を超えていたのは半数以上。また、ニッセイ基礎研究所は、夫と妻それぞれの年収が700万円を超える「パワーカップル」は23年時点で40万世帯となり、10年前の約2倍に増えたと報告している。上昇志向の強いパワーカップルにとって、「子どもを幼稚舎に入れることはステータスを得るための近道となっているが、そうした層が拡大しているため、受験はより熾烈になっている」と幼児教室経営者は解説する。
■清原正吾の野球熱再燃を後押しした塾高野球部の森林貴彦監督
人気の高まりの背景にあるのは人脈だけではない。面倒見の良さも大きな理由のひとつ。その象徴的な例としては、野球評論家・清原和博氏の長男で慶応大野球部に在籍していた正吾のケースが挙げられる。それまで注目を集めていたのは弟・勝児で、23年夏の甲子園で優勝を果たした塾高の出場メンバーだ。一方、正吾は昨年の東京6大学秋季リーグで3本の本塁打を放つ活躍を見せ、プロ野球ドラフト候補に浮上。一躍、時の人となった。だが、指名はかからず、プロ野球への道は断念。この4月からは就職留年中だ。