発情したメスのワンちゃん排卵日を特定する「スメア検査」ができない理由

公開日: 更新日:

■「適正飼育、終生飼育」

 時代が進んで現在は、動物愛護管理法が施行され、厳格に運用されるようになっています。そこで掲げられているのは、「適正飼育、終生飼育」で、飼い主さんがむやみにペットを増やすことを避ける流れです。

 一方、獣医師は適正飼育についてきちんと飼い主さんを指導することが義務づけられていますから、一般家庭でペットを増やすことにつながるスメア検査を推奨することはできかねます。この検査を行えるのは、第1種動物取扱業の登録で「販売」に該当するブリーダーさんや小売業者などです。

 今回の方には、そうした背景をしっかりと説明し、納得していただきました。その相談者は、動物愛護管理法が制定されるかなり前に実家でワンちゃんのお産を経験されたことがあり、その感覚が残っていたこともあるようです。

 交配してからの対応も重要でしょう。無事に受胎しても、小型犬の種類によっては、成長して胎児が大きくなると、帝王切開も選択肢に入ってきます。残念ながら、現在のスタッフには、帝王切開の経験者がおらず、万が一の場合、安全に帝王切開を完遂できるかどうか責任を負えないという事情もあります。

 受胎を確認し、将来生まれてくるワンちゃんすべての適正飼育と終生飼育の確約を頂いたとしても、こうした事情も重なって、一般の方ではスメア検査をお受けできないのです。この点についても納得していただきました。

(カーター動物病院・片岡重明院長)

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    国分太一の先行きはさらに険しくなった…「答え合わせ」連呼会見後、STARTO社がTOKIOとの年内契約終了発表

  2. 2

    大谷翔平も目を丸くした超豪華キャンプ施設の全貌…村上、岡本、今井にブルージェイズ入りのススメ

  3. 3

    100均のブロッコリーキーチャームが完売 「ラウール売れ」の愛らしさと審美眼

  4. 4

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  5. 5

    日本語ロックボーカルを力ずくで確立した功績はもっと語られるべき

  1. 6

    都玲華プロと“30歳差禁断愛”石井忍コーチの素性と評判…「2人の交際は有名」の証言も

  2. 7

    規制強化は待ったなし!政治家個人の「第2の財布」政党支部への企業献金は自民が9割、24億円超の仰天

  3. 8

    【伊東市長選告示ルポ】田久保前市長の第一声は異様な開き直り…“学歴詐称”「高卒なので」と直視せず

  4. 9

    AKB48が紅白で復活!“神7”不動人気の裏で気になる「まゆゆ」の行方…体調は回復したのか?

  5. 10

    ラウールが通う“試験ナシ”でも超ハイレベルな早稲田大の人間科学部eスクールとは?