農水省は「生産量が需要を大幅に上回る」と…“コメ余り”予想でも新米価格が下がらないワケ

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■買い付け合戦はまだまだ続く?

 農水省の推計通りにいけばコメ不足は起こらず、集荷競争も沈静化し、コメ価格も下落するはずだ。それでも、ある大手コメ卸売関係者は「その見通しを受けても、新米価格はしばらく下がらないでしょう」と、こう続ける。

「そもそも米価高騰は、農水省のコメ需給に対する見通しの甘さが原因です。コメのとれ具合を示す『作況指数』が現場の事態とずれ、供給量が不足していたにもかかわらず、農水省は頑なに『コメは足りている』としていた。インバウンド消費の増加といった需給の変化も見抜けなかった。関係者の多くは、国の統計を信用していない。『コメ不足にはならない』といわれても、そう簡単にはうのみにできないのです」

 当然、買い付け合戦もしばらくは続きそうだ。

「各業者が生産現場の視察などを行っていますが、やはり産地によっては、猛暑や渇水で壊滅的な被害が確認されている。不作の不安は大きいままです。集荷や卸売業者にも自分の商売があるし、取引先への安定供給実現のため、ある程度高値でもコメを確保せざるを得ない状況です」(同前)

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