「アジ料理」もっとおいしくなる包丁さばきと加熱のツボ 魚の伝道師・上田勝彦氏が実況中継
卵は湿気を吸う。薄力粉と水のみで揚げる
3つ目は、フライだ。薄力粉と水で液を作って開いたアジをよくなじませる。あれ、卵は?
「使いません。卵は脂と湿気を吸うので、仕上がりがベタつきやすくなるのです。もちろん揚げたてが一番ですが、この方法だと冷めてもふっくらしておいしい」
粗めのパン粉をすき間なくまとわせたら、米油で揚げていく。油に箸を差し入れてサーッと泡が出る程度の180度が理想だ。
「アジを油に投入したら、横から箸を当てて衣が固まった感触が返ってくるまで触らないこと。その感触があったら、返しながら揚げていきます。揚げ上がりのサインは3つ。①大きかった油の泡が小さくなる②油の音がシャーッと細かくなる③箸でつまんで持ち上げたときにジーンと軽い振動がある、です」
塩焼きもフライも、どちらもふっくらとして絶品だった。
「神経締めの真骨頂は刺し身より加熱調理にあります。リラックスした身は、神経締めならではなのです」
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いずれの調理法も応用が利く。しっかりと覚えて魚をおいしくいただこう!

















