米価暴落の兆し…すでに「コメ余り」シフトで今度こそ生産者にトドメ
■「値段が高いうちだけ頑張る」
コメ業界は、米価急落への強い不安を抱えている。コメ卸売大手「神明」(神戸市)の藤尾益雄社長は今月11日付の神戸新聞で、来年度26年産米の価格について「暴落する可能性がある」との懸念を示していた。民間在庫増に加え、飲食業界などの外国産米に切り替える動きから輸入米の拡大もみられるからだ。
もしまた米価が暴落するようなことがあれば、今度こそ生産者の大量離農に発展しかねない。
「コメ農家の中には、『米価が高いうちだけ頑張って、今度下落すればコメ作りをやめる』と考えている人が少なくありません。彼らは長く続いた米価低迷で疲弊しきっており、高齢化も著しい。今回のコメ騒動で農政改革の機運がこれほど高まったというのに、所得補償などの議論はちっとも進まない。廃業を決断するのも無理はない。実際、コメ農家はこれまでずっと、米価の乱高下に振り回されてきました。また米価が暴落すれば『結局何も変わらないのか』と落胆する気持ちは非常に大きいでしょう」(生産者と関わるコメ業界関係者)
消費者はコメ不足が解消されそうだからといって、浮かれている場合ではない。コメ作りの担い手が減れば、元も子もなくなってしまう。


















