「介護費用のATMにされそうで」自分の老後でも義父の世話は無理! 49歳バツイチ男の痛々しい本音

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コクハク

49歳、想定外の事態に困惑

 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人差があります。ひとつの出来事への解釈や目的が、男性と女性では異なる場合もしばしば。男性と女性では、夫婦のあり方への認識が大きく異なる場合も。

 魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様分析を得意とする並木まきが、そんな男女の“冷酷” と“激情”のあいだを垣間見るエピソードをお届けします。

【冷酷と激情のあいだ~男性編~】

「想定外ですね。いろんなことが。いや、俺も結婚はしたいんですけどね。でも向こうのお父さんと同居しなくちゃいけないってなると、俺が思っていた結婚生活とはだいぶ違っちゃうんですよね」

 タカオさんは30代後半で10年間の結婚生活にピリオドを打ち、今はバツイチ独身。離婚後しばらくは「結婚は懲り懲り」と考えていたそうですが、50歳を前にして婚活をスタートさせました。

「老後の心配っていうのかな。ぼんやりとひとりでいるよりも、誰かと一緒に居たいなって思って。

 アプリに登録してすぐに、彩子ちゃんと出会いました。性格も見た目も俺が好きなタイプだったので、3回目のデートで俺から告白しました。今でも彩子ちゃんのことは大好きです」

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収入と貯金目当てでは?

 タカオさんは彩子さんへの愛情はあるけれども、結婚条件の“父親との同居”は、どうしても納得できないと頭を抱えます。

「言い方が下品で悪いんですけど、俺、“介護費用のATM”にされそうで不安なんですよ。失礼な言い方ですけど、彩子ちゃんの実家は裕福ではなく、むしろちょっと生活に困っている感じで…。

 いや、義父になる人のことは嫌いじゃないです、むしろ人当たりもいいし、俺にも親切にしてくれています。人としては、好きですね。

 でもね…。もし親子で俺の収入とか貯金をアテにしているんだとしたら、それはとても困るんです」

 タカオさんは一人っ子で、ゆくゆくは介護を含め両親の面倒をみるつもりでいるとのこと。そんななかで結婚と同時に、妻側の父親と同居生活を始めるのは気が進まないと話します。

「一度、同居を始めてしまったら、きっと解消できないでしょう? 不安しかありませんよ。

 それに、アプリには父親との同居が条件なんてまったく書いてなかったし、付き合い始めてからもそんな話はなかった。結婚に向けて動き出した途端、彩子ちゃんが言い出したんです」

 タカオさんは彩子さんに、せめて新婚のうちは、夫婦だけでの生活を提案したものの、『無理』とバッサリ。

「この状態のまま、結婚へと進んでいいものですかね…。なんとか今の状況を打破したいのですが、彩子ちゃんが歩み寄る姿勢はゼロ。

 最近、ほんとに彼女は俺と夫婦になりたいのかな? って疑問も持ち始めてしまっています。お父さんのことは抜きにして、俺という人間を見てくれているんだろうかって…」 

 結婚はしたいけれども、義父との同居は避けたい。ジレンマに陥った高尾さんはため息交じりにこぼします。

「中年の婚活は一筋縄ではいかないって仲間からは聞いていたんですけど、こういうことなんですかね。う〜ん…、でも、やっぱり同居はしたくないですね。

 なんとかして、せめて最初の数年は夫婦だけで新生活を送れるように、もう一度彩子ちゃんと話してみようと思います」

  ◇  ◇  ◇

 恋人同士であれ、夫婦であれ100%同じ価値観を有する男女は稀です。ましてや交際前の男女となれば、なおのことです。少しのすれ違いが、大きな溝に発展することも少なくないのが異性間における現実でしょう。まさにこれこそが、男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。

(並木まき/ライター・エディター)

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