甲良町立図書館(滋賀県犬上郡)総ヒノキ造りの元尋常小学校
児童室では赤ちゃんや小さな子供と一緒の家族も
教室を分ける壁は一部取り払われており、かつての音楽室は「児童室」、職員室は「一般図書室」、校長室・応接室は「調査研究室」などに使用されている。
蔵書数は約16万冊。特に力を入れているのは、甲良町に縁のある3大偉人の資料だ。
「甲良町には甲良3大偉人と呼ばれる3方がおり、『バサラ大名 佐々木道誉』『藤堂高虎』『甲良豊後守宗廣公』の関係資料を積極的に収集しています。甲良豊後守宗廣公は江戸幕府の作事方大棟梁として数多くの建築・造営に関わり、甲良大工の名を世に知らしめました。郷土の誇りですね」(高橋さん)
閲覧席は“各教室”にスツールなどが据えられているが、実は館内はじゅうたん敷き。靴を脱いで入るスタイルなので、児童室では赤ちゃんや小さな子供と一緒の家族もゆったりと利用しているそう。展示がない時期だけ登場する廊下の椅子も来館者に人気で、南向きの大きな窓から日の光が差し込み、あたたかい雰囲気も楽しめる。
2階には80畳ほどもある畳敷きの裁縫室がそのまま残されており、講演会、ワークショップ、音楽会、人形劇、科学教室など子供から大人まで楽しめるイベントに利用されているそうだ。
「訪れる人に、なぜか懐かしい、ほっとすると言っていただけるノスタルジックな落ち着いた雰囲気の図書館です」(高橋さん)
木の香りが漂う歴史的な空間で、読書とは何ともぜいたくだ。
●住所 滋賀県犬上郡甲良町大字横関927
(℡0749-38-8088)
●開館時間 水~金=午前10時~午後6時、土日=~午後5時(休館日は毎週月・火、祝日、第3日曜、年末年始、特別整理期間)
●アクセス JR河瀬駅から湖国バス甲良線・甲良東小学校前下車、徒歩1分


















