施設現場を数多く取材した筆者は入居したくない…高級老人ホームがムラ社会化、精神を病む入居者たち

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■権力をもつ高齢者が牛耳る

 都内にある高級老人ホームは、設備面もスタッフの対応も手厚いぶん、入居金も月々の費用も相応の金額がかかる。豪勢なシャンデリアが輝くエントランスはまるで高級ホテルのような趣で、家族のようにあたたかいスタッフとともに自宅のような感覚で過ごせるというのがウリである。

 ところが、入所者を、そしてスタッフを悩ませているのが、入所者同士の複雑なコミュニティーだ。老人ホームの現役スタッフA氏がこのように打ち明ける。

「入所者の中に、有力な企業の幹部だったTさんという男性がいるのですが、とにかく全体を仕切るのが好きで、高圧的なのです。“これだけ金を払っているのに、おまえらは言うことを聞けないのか!”と、スタッフを恫喝するのが日常茶飯事なんですよ。

 食事の内容にケチをつけるのはいつものこと。入所者全員で歌を歌ったりするイベントを開催すると、“こんな子供騙しの遊びを、私にやらせるな!”と、怒りを露わにする。スタッフはまったく手に負えませんし、誰もTさんには逆らえないのです」

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