囲碁や将棋よりも、いま子どもが「麻雀」を習うワケ…高齢者の脳トレから人気の習い事へ
講師を務めるのは、地元在住のプロ雀士で、日本プロ麻雀連盟静岡支部副支部長の平岡理恵さん。これまでは講師1人で教えていたが、クラスの増加に伴い、現在は2人体制になったという。
「このカルチャースクールで20年以上、麻雀教室を続けています。最初は1卓だけで細々と始めましたが、受講生が少しずつ増え、クラスも増えてきました。『健康マージャン』という形で、知的スポーツとして高齢者の間に広く浸透したと感じています」(平岡理恵さん)
高齢者が麻雀を学ぶ流れはすっかり定着したが、最近、新たに増えているのが子ども向けの麻雀教室だ。このカルチャースクールでも2025年に初めて子ども向けクラスを開講し、現在は2クラスで13人が受講している。なぜ今、子どもたちが麻雀を習うのだろうか。
「麻雀は頭の活性化に役立つだけではありません。マナーや忍耐力、計算力、論理的思考も身につきます。総合的にさまざまな力を育めるので、『やってみよう』という子どもや保護者が増えたのではないでしょうか」(平岡理恵さん)
ここ数年で、麻雀を取り巻く環境は大きく変わった。その変化に大きく貢献したのが、2018年に発足した競技麻雀のチーム対抗プロリーグ「Mリーグ」だ。企業とプロ契約を結び、カラフルなユニフォームを着て戦う選手たちの姿は、「麻雀=賭け事」という従来のイメージを大きく塗り替えた。
「Mリーグの影響は本当に大きいと思います。私がプロになった26~27年前はイメージが良くなく、『麻雀プロ』というだけで偏見を持たれることもありました。今では堂々と『プロ雀士です』と言える時代になりました。Mリーグのおかげで麻雀のイメージは大きく変わったと感じています」(平岡理恵さん)
一方、静岡朝日テレビカルチャーの太田さんは、子どもたちの習い事としての変化にも注目する。
「麻雀はゲーム感覚で計算力を鍛えられますし、『算数より面白い』と感じる子どももいます。そうした魅力は昔から変わりませんが、やはり麻雀のイメージが良くなったことが大きいですね。一昔前なら囲碁や将棋を習っていた子どもたちが、今は麻雀を選ぶケースも増えているように感じます」
一昔前、文科系の習い事といえば囲碁や将棋が定番だった。しかし、このカルチャースクールでは現在、将棋教室は1クラスのみで、囲碁教室は開講していないという。麻雀は高齢者の「脳トレ」から、子どもの新たな習い事へ。その裾野は着実に広がり続けている。
(取材・文=三浦徹/ライター)
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