どうする? どうなる? 札幌市の分煙環境整備(下)喫煙所を作ったらポイ捨てが劇的に減った
路上喫煙が多い場所は、残念ながら吸い殻のポイ捨ても目立つが、喫煙所を整備することでポイ捨てが劇的に減ったという証言もあった。
今年10月、繁華街すすきのに民間の屋内喫煙所「THE SMOKE BASE」がオープン。運営しているのは札幌の広告代理店「トリプルワン」だ。
「すすきので事業を行っている経営者の有志でゴミ拾いをしているのですが、ゴミの9割が吸い殻です。ポイ捨てが減らないのは、すすきのに喫煙所がないからだと思い、私費を投じて喫煙所をつくることにした。外国人観光客にも一目で分かるように、たばこのネオンサインを配し、英語表記にしました。喫煙所ができてから、ポイ捨ては目に見えて減りましたね。喫煙所があれば、そこで吸うんですよ。無水灰皿を置いて、ウッド系のアロマをたいているので維持管理費はかさみますが、喫煙者のためというよりも、街の美化のためと思って24時間無料で開放しています。助成金制度があれば、もっと喫煙所をつくれると思うのですが……」(トリプルワンの伊藤翔太社長)
検討会で市が示した資料でも、ポイ捨て防止条例に関する苦情が最も多かったのは、新型コロナ禍で喫煙所が閉鎖されていた2020年だった。
規制拡大するだけでは、その境界線外での路上喫煙が増えるだけで、ポイ捨て対策がイタチごっこに終わるのは目に見えている。環境美化のためには喫煙所の整備が不可欠だ。 (おわり)

















