<16>「良薬口に苦し」でなく「毒薬口に苦し」の消費税
■消費増税で借金はかえって増える
デフレ下の消費増税になぞなんの利も無いのだが、多くの国民はなんとなく、消費増税で生活が苦しくなるけれど、国の借金を減らすには消費増税は仕方ないと思っている。政治家や学者や評論家が、日々、そんな論調をメディアで繰り返しているからだ。
しかし今日のようなデフレ経済が続くなかで、どれだけ消費増税を繰り返しても国の借金は減らずむしろ増えてしまうのだ。
事実、1997年の消費増税によって経済成長率が鈍化し、その翌年から税収はトータルで下落してしまった。2014年の消費増税でも同じく、経済成長率は鈍化。結局、増税しなかった方がトータルの税収が高いという事態になってしまっている。
そもそも消費税を2%上げたところで、増える税収は5~6兆円だ。しかし経済が毎年安定的に3%の成長をすれば、税収は2兆円程度拡大していく。だから増税などせずに、安定的な成長を保持していれば、ものの2、3年で消費税率を2%上げる程度の増収を実現できるのだ。