不祥事続きのスズキ…背景に89歳・鈴木修会長の“独裁老害”
日産自動車と同様に、不祥事連発によって企業統治(コーポレートガバナンス)が著しく欠如しているのがスズキだ。
今年の株主総会の集中日だった6月27日、スズキの株主は経営トップに「NO」を突き付けた。取締役選任への賛成率で鈴木修会長(89)が前年の93.2%から65.9%に、長男の鈴木俊宏社長(60)が94.2%から69.9%に急落したのだ。
スズキでは2016年に燃費データの測定で不正が発覚。さらに、18年には、完成車検査でも不正が立て続けに発覚し、人命にかかわるブレーキ検査で不合格のものを合格にするためにデータを改ざんするなど、悪質さが際立った。19年4月からは国内最大規模の約200万台のリコールに追い込まれた。5月28日、修会長の1年間報酬全額返上、俊宏社長の役員賞与返上と月額報酬50%カットなどの処分をスズキは発表したが、こうした不祥事の遠因は、修会長の「老害」と、俊宏社長の「いまだに主要な判断を父に頼るリーダーシップのなさ」から来る企業風土にあると、株主たちは怒っているのだ。
■売上高は過去最高を更新したが…