“赤い資本”に狙われた業績低迷「象印マホービン」の憂鬱
IH炊飯器など調理家電大手の象印マホービンが“赤い資本”の脅威にさらされている。
18年夏から同社株を買い進めてきた2つの投資ファンドの正体が中国の家電大手、ギャランツ(格蘭仕)グループだったことが今月、判明。大量保有報告書でこれまで「純投資」としてきた保有目的も「経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと」に変更された。2月19日の定時株主総会は波乱含みの展開となりそうだ。
ギャランツは広東省に本社を置き、白物家電を中心に国内外で幅広く事業を展開、電子レンジでは世界トップシェアとされている。
グループでこれまでに買い占めた象印株は980万株超。発行済み株の13・5%に当たり、創業家出身の市川典男社長が持つ11・5%を上回って、筆頭株主となっている。
すでに「株主やステークホルダーに資する経営が行われていない」として傘下ファンドの一つが取締役候補に日銀出身で弁護士の長野聡氏を選任するよう株主提案。象印側の出方次第では「今後、さらなる追加提案や資本提携などを求めてくる可能性もなしとしない」(金融関係者)。