重道武司
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重道武司経済ジャーナリスト

1957年鳥取県倉吉市生まれ。84年フジサンケイグループ傘下の経済紙「日本工業新聞」(現フジサンケイビジネスアイ)の記者となり、千葉支局を振出しに鉄鋼、自動車、総合電機、財界、金融、エネルギー(電力・石油・ガス)などの業界を担当。2000年外資系通信社に転じた後、02年からフリーに。得意分野は通信社時代を含めて在籍足掛け7年にも及んだ日銀記者クラブ時代に人脈を培った金融。自動車業界にも強い。

セブン&アイの米コンビニ買収断念 1.4兆円のれん代ネック

公開日: 更新日:

 世の中にリスクのないギャンブルなど存在しないとも言われるが、乾坤一擲の勝負に打って出るにはやはり荷が重過ぎたか。セブン&アイ・ホールディングス(HD)が、米石油精製会社マラソン・ペトロリアムのコンビニ併設型ガソリンスタンド(SS)部門「スピードウェイ」の買収断念を決めた。

 最大のネックとなったのは他でもない。買収価格だ。水面下でのディールで相場が跳ね上がり、セブンに提示されたとされる金額は約220億ドル。邦貨換算で軽く2兆円を超える。

 これに対し、マラソン社のスピードウェイを含む小売事業の営業利益は2019年12月期で約16億ドルに過ぎない。買収価格はそれを14倍近く上回る水準で「とてもじゃないが釣り合わない」(関係者)というわけだろう。

 抱え込むのれんの巨額さに対する恐怖も決断をためらわせたに違いない。スピードウェイの純資産は約6000億円規模とされている。2兆円超で買収したとすれば、単純計算で買収金額との差額である1・4兆円超が、のれんとしてのし掛かる。仮にこれを10年間で定額償却するにしても、毎期の償却負担は1400億円超。「期間損益の上乗せ効果がほぼ食い潰されてしまう」(市場関係者)格好だ。まして想定通りの収益が上がらなければ減損リスクも待ち構える。

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