著者のコラム一覧
田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

後ろ向き経営の三越伊勢丹にコロナ禍が容赦なく追い打ち

公開日: 更新日:

「EC(電子商取引)に力を入れたのは正解だったと思います。新型コロナのせいで店舗での販売が見込めない中、今後を左右するアイテムです」

 杉江社長は昨年度から3年間で200億円を投じ、EC事業の拡充を図っている。しかし、周囲の見方は冷ややかだ。

「すでに他の百貨店も力を入れている分野で、遅ればせながらという感が強い。三越伊勢丹のクレジットカード会員には富裕層が多いので、それなりの強みはあるものの、年齢層が高く、先細りが見えている」(カード会社役員)

 前向きな事業といえば、もうひとつある。今年2月、日本橋三越本店新館にビックカメラがオープンしたのだ。

「ビックカメラの宮嶋宏幸社長から杉江社長に話があり、決まったものです」(中堅社員)

 安売りのイメージが強いビックカメラだが、三越で扱うのは富裕層をターゲットにした高級家電。欧米の百貨店では近年、高級家電のフロアを設けるのがブームになっている。それにならったもので、期待は大きかったが、「新型コロナのせいで、春の家電商戦も飛んでしまった」と中堅社員は嘆く。

 業界の盟主はおろか、大手の中で復活が一番、遅そうな雲行きである。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 3

    カーリング女子フォルティウスのミラノ五輪表彰台は23歳リザーブ小林未奈の「夜活」次第

  4. 4

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  5. 5

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  1. 6

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  2. 7

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 8

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  4. 9

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  5. 10

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった