市場が仰天! 日本触媒と三洋化成工業が経営統合を中止
延期はままある話だが、中止は珍しい。まして最終合意後の白紙撤回となると「異例中の異例」(市場関係者)だ。
■紙おむつ原料の大手2社
紙おむつ原料の高吸水性樹脂(SAP)で世界シェア首位の日本触媒と同5位の三洋化成工業は先週、2021年4月に予定していた経営統合を取りやめると発表した。新型コロナウイルス禍で事業環境が悪化。感染拡大の長期化で、先行きも見通せないためだ。
「喧嘩別れではない」(関係者)としているが、「1~2年先の事業環境が想定できない」(五嶋祐治朗・日本触媒社長)ともしており“再結集”は難しい情勢だ。
日本触媒と三洋化成は19年11月末、共同持ち株会社「Synfomix(シンフォミクス)」を設立し、20年10月1日付で経営統合することで最終合意。統合新会社の社長には日本触媒の五嶋社長が、会長には三洋化成の安藤孝夫社長が就任するトップ人事も決めていた。しかし原材料・製品価格の乱高下やコロナ禍などを受けて今年4月、統合時期の半年先送りを表明。最終調整を続けてきた。