株高バブル崩壊のトリガー「アメリカの金利上昇」に要注意
どこまで上がるのか。日経平均株価が連日、バブル崩壊後の高値を更新している。9日も前日比117円43銭上昇し、終値は2万9505円93銭だった。1990年8月以来の高値水準となっている。2月に入ってから1700円以上も値上がりしている。異常な上がり方だ。
株式市場は完全にバブル化している。内閣府が8日発表した1月の景気ウオッチャー調査によると、景気の現状判断指数は31.2と、3カ月連続悪化し、2020年5月以来の低水準に沈んでいる。街角景気は「2番底」が鮮明になっている。それでも投資家は、株を買い漁っている状況だ。
「株価が上昇している理由は単純。カネ余りです。コロナ対策のために世界各国がカネをばらまき、それが投機マネーとなって株式市場に流れ込んでいる。さすがに市場も、この株高には“高所恐怖症”となっています。でも、無理やり買い材料を見つけては、株を買っている。まさにバブルです。バブルの絶頂だった1989年に似てきた。異様なのは、業績のいいソニー株が売られていることです。冷静な投資家は、ここが売り時と判断しているのでしょう。実際、買うべき株はすでに買われて高くなり、出遅れ株が根拠が薄いまま買われている状況です」(経済評論家・斎藤満氏)