大塚家具幹部社員の直談判で娘・久美子氏の解職に乗り出す
2014年7月、中間決算の数字が出そろった頃だった。同上期は増収増益が見込まれていた。それでも大塚家具の役員の間には危機意識が広がっていた。下期の決算で営業収益が大幅に落ち込むことが分かっていたからだ。
「家具屋というのは、受注から入金までに数カ月から半年単位のタイムラグがあります。ですから上期の数字が出る頃になると、半年後の下期がどうなるのかは大体、予測がつきます。この時は赤字を避けられない状態にあることが分かっていたのです」(元幹部)
きっかけは久美子氏の改革路線だったという。
「久美子さんは、入りやすい店舗づくりをしながら宣伝広告費を減らしてコスト削減する戦略を続けていました。ですが、これではお客が店に集まらず、売り上げはどんどん減少したのです」(同)
これに危機感を募らせた多くの幹部社員たちは、長男の大塚勝之氏を頼った。勝之氏は14年3月に、久美子氏が社長就任1カ月後の09年4月から兼務していた営業本部長に就任していた。