出光の“高揚と落胆” EV参入で東亜石油のTOB失敗払拭なるか
悲喜こもごもといったところだろう。先週16日、石油元売り大手・出光興産の社内は「高揚と落胆」がまさに交錯する形となった。
コロナ禍でオンライン記者会見となったため「華々しく」とはいかないまでも、経営トップも出席して小型電気自動車(EV)事業への新規参入計画を旗揚げ。その一方、昨年末から仕掛けていた石油精製子会社、東亜石油に対する株式公開買い付け(TOB)の失敗が明らかになったのだ。
東亜の完全子会社化を狙ってTOB公表直前の東亜株の終値に23%強のプレミアムを乗せた1株2450円で買い付けを進めたが、大株主となっていた米投資ファンドのコーンウォール・キャピタル・マネジメントが市場で東亜株を買い増してこれに対峙。株価はTOB価格を上回って推移し、期限の15日までに応募された株式数は最低買い付け目標(下限)を大幅に割り込んで終わった。