種村建具木工所 種村義幸社長、貞子さん<1>ライバルが廃業、何とか持ちこたえられている
日本の伝統的な木組みの技術を用い、木製建具や家具、オリジナルのインテリアを製造・販売している有限会社種村建具木工所(大阪市平野区)。創業65年の歴史を持つが、このコロナ禍で売り上げが減少している。
特に昨年の9月、10月は売り上げが半減したのだという。その後は徐々に持ち直してきたものの、昨年比で5%ほど売り上げが落ち込んでいる。
それに加えて3度目の緊急事態宣言。それでも新規事業担当の種村貞子さんはヘコたれない。
「今まで建具をやってこられたところがこの不況で廃業し、私たちの元にオーダーを出されるお客さまが増えています。業界の高齢化が進んでいるのもその要因になっているのでしょうね。回ってくる仕事は難しいものが多いのですが、腕の確かな職人さんと、社長である主人とで日々の仕事をこなしています」
社長の種村義幸さんは、建具や家具職人として大学に通いながら修業を積んできた苦労人。高校卒業後、すぐに1級建具製作技能士に弟子入りした。
貞子さんと結婚後は先代社長で父の種村昭美さんの指導の下、夫婦で木製建具の普及に取り組んできた。