11.26のカラ売り比率は51.4%に 株式市場を襲った「オミクロン・クラッシュ」の正体
いや~、ひどい相場である。11月26~30日(シカゴ先物・CME・夜間取引を含む)の株式市場は新型コロナウイルスの変異株「オミクロン」に直撃された。クラッシュに近い。先物主導の暴落だったとはいえ、マーケットは何に怯えたのだろうか。
11月26日の日経平均株価は748円安、NYダウは905ドル安と大幅安を演じた。感謝祭の休日(25日)、半日立ち会い(26日)に伴う市場参加者の少ない局面を狙った投機筋の暗躍があったと思う。
27日のCME先物は1435円安の2万8025円、28~29日の夜間取引では940円安の2万7850円の安値まで売り込まれた。26日のカラ売り比率は51.4%だった。異常な数値である。
市場関係者は「現物と先物が逆ザヤとなり、裁定解消売りを誘発した」とか、「9月末の配当金の再投資に絡む先物買い→先物売り、現物に切り替える動きがあった」などと解説するが、パニックに陥るほどのことではないだろう。
伏線はWHO(世界保健機関)の声明にある。11月23日、WHOは「欧州では2022年春までに新型コロナの再流行によって、新たに70万人が死亡する」とコメントしたのだ。追加の感染拡大対策を求めたとの見方ができる。